ハードフェイシング(表面硬化肉盛施工法)とは、様々な手法により機械部品の表面に硬化層を作り、部品の
寿命を大幅に長くする技術です。その手法にはガス溶接法、アーク溶接法、溶射法などがあります。当社はハードフェイシングのパイオニアであり、各種溶接法及び溶射法を取り扱っており、その技術は半世紀にわたりお客様からご好評を頂いております。

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(1) ガス溶接

ノズルガス肉盛施工例

ガス溶接は、可燃性ガスと酸素が化合して生じる高温度の燃焼熱を利用して、溶接
棒の一部を溶融し溶着する溶接法です。広範囲にガス加熱されるため、溶接割れ
が生じ難く、主にコバルト系合金やニッケル系合金の溶接に適用されます。
他の溶接法に比べて母材の溶け込みが非常に少なく、一層目より所定の合金硬度
を得ることができます。ガス溶接法は人的作業の為、熟練した技能が必要となり
ます。

 

 

(2) 被覆アーク溶接

被覆アーク溶接は、溶接棒と被溶接物である金属(母材)に電圧をかけアークを発生させ、そのアーク熱で溶接棒と母材を溶融し溶着させる溶接方法です。母材への入熱影響は溶接棒の線径や電流、電圧でコントロールすることが可能です。但し、溶着量が少ないため大量溶接には不向きな溶接方法です。
溶接材料は銅合金系、鋳鉄系、鋼鉄系、ステンレス、コバルト系合金、ニッケル系合金といったようにほとんどの金属溶接材料があります。

(3) 炭酸ガスアーク溶接、MAG溶接

炭酸ガスアーク溶接、MAG溶接は溶接ワイヤーと母材との間にアークを発生させ、そのアーク熱によりワイヤーと母材を溶融し溶着させる溶接方法です。その際、大気からの悪影響を防ぐため、シールドガスに炭酸ガスやアルゴンガスを使用します。他の溶接法に比べて溶接着速度が大きく、作業操作が比較的容易であるため、高効率の肉盛施工ができます。小さな施工物から比較的大きな施工物にも適用ができ、ロボットを利用した全自動溶接にも使用されています。
溶接材料は被覆アーク溶接と同様に銅合金系、鋳鉄系、鉄系、ステンレス、コバルト系合金、ニッケル系合金などほとんどの金属溶接材料があります。

(4) TIG溶接

TIG溶接での肉盛施工例

TIG溶接はアルゴンガス中でタングステン電極と母材との間にアークを発生させ、
溶接棒と母材を溶融し溶着させる溶接法です。CO2溶接、MAG溶接に比べて溶着
速度が小さい溶接法です。
施工条件によっては溶接時の入熱量をコントロールできるため、溶着金属の溶け込み深さをコントロールでき、溶接による歪みを少なくすることが可能です。溶接材料
は、コバルト系合金、ニッケル系合金、ステンレス系、鉄系など様々な種類があり、
線径の選択により入熱を押さえた肉盛が可能です。



(5) セルフシールドアーク溶接(オープンアーク溶接)

セルフシールドアーク溶接は、フラックス入りワイヤーを使用してシールドガスを必要としない溶接法です。フラックスにはガス発生剤、脱酸剤、スラグ形成剤などが含まれていて、ガス発生剤から発生するガスが大気の進入を防ぎ、大気から進入した酸素による悪影響を脱酸剤が防ぎます。
本溶接法は、シールドガスを必要としない為、主に現場、屋外での溶接作業に適しています。
溶接材料は軟鋼、高マンガン鉄系、高クロム鉄系などがあります。

(6) サブマージアーク溶接

サブマージアーク溶接は、溶接フラックスの中で溶接ワイヤーと母材との間にアークを発生させて溶接フラックスと溶接ワイヤーを溶融させながら溶着する溶接方法です。大電流溶接ができるため溶着速度が大きく、さらに多電極を使用することで作業の高能率化ができます。主にロール、ローラーなどの肉盛施工に用いられます。溶接材料は軟鋼、高マンガン鋼、熱間工具鋼、高速度鋼、高クロム鉄などがあります。

(7) 帯状電極肉盛溶接

帯状電極肉盛溶接はサブマージアーク溶接と同様に、溶接フラックスの中で溶材と母材との間にアークを発生させて溶着させる高電流溶接法です。サブマージアーク溶接がワイヤーを使用するのに対して、帯状電極肉盛溶接は帯鋼を使用するため更に溶着速度が大きく高能率です。
主に圧延ロール…ローラーなど大きな施工物の肉盛溶接に使用されます。溶接材料は帯鋼を使用する関係からステンレス、クロムモリブデン鋼、軟鋼などに限られます。その為、溶着金属の成分を満たす為、溶接フラックス中より化学成分を溶融時に取り込む方法で施工されます。

(8) PTA肉盛溶接

PTA肉盛溶接は、高周波発生装置を使用してトーチ内でアークを発生させガスを加熱します。その超高温でイオン化したガス流中に、粉末状の溶接材料を送給して溶着する溶接法です。
ガスは、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの混合ガスを使用します。
肉盛厚さは1層で3〜4oと他の溶接法に比べて効率の良い肉盛溶接が出来ます。また、溶け込み深さが浅く溶着成分の希釈が少ないため、1層で肉盛された材料の機械的特性が得られます。
溶接材料としては、ステンレス系、コバルト系合金、ニッケル系合金、高速度鋼、サーメットなどがあります。

(9) 粉末式フレーム溶射(自溶性合金溶射)

保護管溶射施工例

酸素、アセチレン炎を熱源として、溶射材を溶融させながら溶射する方法です。
自溶性合金(ニッケル及びコバルトを主成分としホウ素、ケイ素を添加した合金)を溶射する際に使用され、溶射後にフュージング処理を行います。
フュージング処理を行うことで開口気孔が無くなり合金層を形成するため、溶接に
近い密着力を得ることができます。





(10) 高速フレーム溶射(HVOF)

ガス炎を熱源とする燃焼室の圧力を高めることで、高速のガスフレームを発生させます。その中に溶射粉末を送り込み高速度で基材に衝突させて溶射皮膜を形成させます。
高圧燃焼による高速フレームが得られるので、他の溶射法と比較して高密度、高密着力の皮膜を生成することが出来ます。主にタングステンカーバイト系の溶射に使用されます。 

(11) プラズマ溶射

電極間に不活性ガスを流し込み通電させ、非常に高温のプラズマジェットを形成させます。その中に溶射粉末を送り込み溶融させながら加速させ溶射皮膜を形成させます。プラズマジェットは10,000℃を超える高温になりますので、セラミックなど高融点の材料を溶射するのに適しています。
また、溶射時の基材温度は150℃程度抑えることが出来るため、熱による歪みがほとんど無く施工することが出来ます。

(12) ローカイド溶射

酸素−アセチレン炎を熱源とする圧縮空気中に、ロッド状に焼結加工された溶射材料を送り込み溶射する方法です。溶溶融温度は2,500〜3,000℃で完全に溶融された材料のみ溶射します。その為、非常に緻密は溶射皮膜を形成することが出来ます。
主にセラミック系の溶射に使用されます。

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